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本稿では日本語の<依頼表現>を対象として、依頼表現についての現段階での研究水準や成果、そしてこれからの研究課題などについて考察してみた。 これまでの日本語文法研究の発展や展開のなかで、依頼表現に関してはその研究だけでなく実用的な面においても成果と言えるほどのものがほとんどないように見受けられる。その理由としては、まず、日本語内部の問題として、依頼表現専用の形式が存在しないこと、次に、依頼表現の特質から見て、地域差および個人差が大きいこと、最後に依頼表現は待遇表現と深い関わりがあること、などを挙げることができる。要するに、依頼表現を表す形式を一つの独立した文法範疇として認めるかどうかの問題が残されているのである。 本稿では、日本語には依頼だけを表す文法形式が欠けており、その空白を補うために授受表現や願望表現が一定の文法的・文脈的条件のもとに直接参与していること、そして意味的な関連を持つ一部の表現形式が付随的に関与しているということをまず明らかにしておかないと、形式と意味との間に不一致が生じる恐れがあるということを指摘した。 一方、命令表現との関連のなかで、当該形式が使われる文脈的・状況的要因、表現内容、表現意図、そして話し手と聞き手の関係に至るまで、様々な要因が依頼表現と関わっていることを、依頼表現を研究する際には十分考慮に入れなければならないということを指摘した。 依頼表現に関わっている文法形式全体を体系的に規定し、なおかつ一般化する作業は当然ながら簡単ではない。文法形式だけでなく、各形式が取りうる形態が[普通体/丁寧体]、[肯定/否定]、[断定/推量]などと多岐にわたっており、これらの形式を二重三重と重ねて接続することが可能であるという点、そして待遇表現的な特質とも関連してその表現価値が一定しないという点などにおいて、文法形式の系列化だけでなくそれぞれの形態間の序列化というのも難題の一つであり、これからの課題でもある。