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家族の定義は、社会学、歴史学、人類学、法学あるいは比較家族史など学問領域によってさまざまである。その共通項を求めるなら、家族とは、婚姻と血縁の関係からうまれる小集団である。我々の常識では家族とはやすらぎと暖かさ、安定を与えてくれるよすがである。とくに緊張や葛藤にさらされがちな現代社会においては、よりゆとりあるライフスタイル、人間的な生き方を求めて、人々は私生活の基盤の充実をはかる必要を感じ、家族や家庭生活の大切さに気づきはじめているように見える。しかしまた他方我々は現代の家族がこれまでに経験しなかった様々な問題を抱えている現実的な状況も承知しており、政策やジャーナリズム․アカデミズムなど種々のレベルでその原因やあるべき方向について議論と提言を重ねている。その際、日本の社会と家族の特性や固有性がしばしば言及されるが、その中には日本の家族の伝統的な側面が負の遺産を残しそこから現代の家族の諸問題が派生しているとの論議もあれば、他方では逆に、よりダイナミックに変貌し深刻な問題をかかえているようにみえる欧米の家族と比較して、日本的伝統を積極的に評価しそれを家族のありかたを維持強化すべく提言が行われたりもする。 しかし日本人にとって家族の伝統とはいったい何だろうか。それは近代以降どのような変貌を遂げ、あるいは維持され、現代にどのような影響を与えているだろうか。小論では、日本近代において家族の経てきた歴史を検討することで、近代社会、そして現代における家族の意味を考えたい。