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「虫」という語の多義性について  本硏究では、日本語には多くの慣用的表現がみられるが、韓國語では「虫」を用いた慣用的表現が見られないことから、日本人が「虫」という語をどう認識し、どう用いているのかについて考察を行った。 日本語の「虫」を用いた複合語は、人間存在そのものを表し、意味としてはその人間の特徵や性質を表すことが分かった。日韓兩言語における大きい違いは見られなかったものの、「集中する」の意味として用いられた「虫」は韓國語でも同じ「虫」が用いられる反面、「そのような性質」という意味で用いられる「虫」は「~장이、~보」という日本語の「~屋」により近いことが分かった。 慣用的表現として用いられる「虫」が表す意味をみると、「怒り・図々しさ・氣分・氣持ちが惡い」など、そのニュアンスにおいては少しずつズレも見えたが、その意味は「心の狀態・動き・働き」でまとめることができた。また、韓國語と比較してみた結果、これらの意味は全体的にネガティブニュアンスを表すことがより明らかになった。韓國語では「怒り・図々しさ・氣分・氣持ちが惡い」などの意味の言葉を直接用いることに反して、日本語では「虫」を用い、自分の感情、特に「怒り」の感情を表すことが分かった。 以上の結果から日本人の思考において、「虫」は單純な小さい生き物ではなく、体內に住み、人間の感情を左右する存在であることが明らかになった。